
この記事では、シマノの12アンタレスのオーバーホールの分解から組立の、全ての工程を解説します。
全ての工程を、多くの写真と一緒に解説しました。
この記事通りにやれば、12アンタレスのオーバーホールができます!
マイクロモジュールギアになって巻き感が悪くなりやすくなったといわれる12アンタレスですが、しっかりメンテナンスすれば、ヌルヌルの巻き心地を維持できます。
それではさっそく始めましょう。
今回オーバーホールする12アンタレスのオーナーは、YouTuberとしても活躍している、琵琶湖・南湖の釣り人・徹之介さんです。
具体的な釣り方やルアーの使用方法も詳しく解説してくれているので、ぜひ皆様も一度ご覧ください。
徹之介のバス釣りファイル
ハンドルを外す
まずはハンドルを外します。
アンタレスのハンドルリテーナの固定ネジは、ハンドルの裏側にあります。
次にハンドル固定ナットを外します。
アンタレスのナットは普通のレンチでは外せないので、付属のレンチを使いましょう。
座金の周辺に異物が絡んでいます…。
ハンドルから座金までを外し終えました。
慣れていない方は、順番・向きがわかるように、きちんと並べておきましょう。
外したパーツは順次パーツクリーナーへ投入していきます。
サイドボディを開ける
ネジ4本外して、ボディを開けます。これは汚い…。
ローラークラッチが少し錆びています!
前回オーバーホールした時も錆びていたので、その時にしっかり洗浄してグリス等も塗ったのですが、耐えられなかったようです。
または使用後の乾燥のやり方が悪かったのかも。
ドライブギア・ピニオンギアを外す
ドライブギアとピニオンギアを外します。かなり、ドロドロしています。
ギアの歯の間も汚れていますね。
下の写真のような異物がポロポロ落ちてきます。
琵琶湖・南湖の釣り人のリールなので、どうしてもウィードのカスやゴミが付着します。
ギアを外した後の様子。
写真ではわかりませんが、本体表面を謎の薄い膜が張っていて、こするとポロポロ落ちます。
このあたりで、本体B組(SVSブレーキ側)を外します。小さいEリングを取れば、外せます。
ちなみに、私はEリングの付け外しはほぼマイナスドライバーで行っています。
ドライブギア軸を外す
次はネジ2本外して、ドライブギア軸を外します。
12アンタレスのギア軸のベアリング等はEリングで固定されていますが、16年モデル以降の新上位機種は、ネジによる固定に変更されています。
上部のカバーを外す
次はカバーを外していきます。
外したネジが増えてくるので、ネジの種類・位置がわかるように並べておきましょう。
クラッチ・レベルワインダー組の分解
レベルワインダー周囲の様子です。これは汚い!
次は、クラッチヨークのパーツを外します。
バネが飛んでいかないように、しっかり押さえながら、注意して外しましょう。
次はレベルワインダーです。
ちなみに、レベルワインド受けの所に小さい座金が入っているので、無くさないように注意しましょう。
(個体によっては、初めから無いものもあります)
Eリングを外して、分解します。
他のパーツの分解
最後に本体Aシートを外して、本体の分解完了になります。
ついでに、メカニカルブレーキノブも分解してキレイに清掃します。
ハンドル組も分解です。
これで、分解完了です。汚すぎて分解に時間がかかりました。
汚れが強烈なので、パーツクリーナーに浸けたぐらいでは全く落ちません。
ブラシ等でしっかり洗浄していく必要があります。
組立前に、必ず清掃をしよう!
写真で見える以上にドロドロの汚れがリール内部にたまっていて、触るのが少し嫌になるほど。
みなさんは、リールがこれほど汚れる前にオーバーホールしましょう。
このアンタレスはかなりヘビーな汚れが付着していますが、これをしっかり除去しないと、グリスアップの工程に移れません。
汚れを中途半端に残したままでは、オーバーホールの価値が半減します。
面倒くさがらずに、丁寧に掃除することが大切です!!
クリーナーで落ちない汚れをブラシで除去
分解時にパーツをクリーナーへ投入していますが、その程度では全く汚れは落ちません。
油分を落とすだけで、汚れは残ります。
そこで、汚れの残っているパーツをブラシと洗剤で洗います。
一応、細毛で柔らかいブラシを使用。
その後、更に音波洗浄機にも投入します。
パーツはすっかりピカピカになりました。
どうせオーバーホールをするならば、しっかり汚れを落とす事を大切にしています。
汚れや異物が残っていたら、せっかく新しいグリスやオイルを塗っても、違和感に繋がってしまいます。
レベルワインダーの組立
私は表面保護も兼ねて、ますボディ全体を薄くグリスで塗ります。
まずは、レベルワインダーを組み立てます。
Eリングのはめ込みも、私はマイナスドライバーで行っています。Eリングを飛ばして無くさないように注意しましょう。
クラッチの組立
次はクラッチ部分の組立です。
下の写真は洗浄前ですが、この部分がもう腐食したのか、少しボロボロになっています。
クラッチプレート等の可動部分には、しっかりグリスを塗っておきましょう。
次はクラッチツメをはめ込みながら、クラッチカム抑え板を固定していきます。
この時も、バネを飛ばさないように注意しましょう。また、バネの向き間違いに注意!!
これを組み立てたら、クラッチがしっかり動くか確認しておきましょう。
上部カバーの取り付け
このあたりで、サムレストやガードカバーを取り付けましょう。
ネジの太さや長さに違いがあるので、間違えないように注意してください。
ドライブギアの組立
次はドライブギア軸の組立、取付です。座金も忘れないように。
そろそろボディのサイド組も組み立てましょう。きっちり洗浄したベアリングを取り付けます。
ローラークラッチもクリーナーと洗剤と綿棒で、可能な限りの錆びを落としました。
ギア組の組立完成です。
ちなみに、グリスを塗るときは筆を使って塗っています。
ボディ・ハンドルを付けて完成
ボディを組み合わせる時、この小さいバネの取り付け忘れに注意です。
ナット、座金、ハンドルを取り付ければ、組み立て完了です!
ドロドロの汚れや錆びがありましたが、非常に滑らかな巻き心地に復活させることができました。
これで、より一層デカバスをバシバシ釣ってくれるでしょう。
徹之介さんの今後の釣果に期待です。