
今回の記事では、シマノの18バスライズに8個のベアリングを低コストで追加する方法をご紹介します。
シマノで一番安いベイトリールの【バスライズ】は、ベアリングが1個しか付いていません。
だから、スプールや駆動部の回転性能が他のリールより劣っています。
それを解決するために、各所のプラスチック製のブッシュをベアリングへ交換します。
シマノ純正のベアリングを8個用意するとリール本体価格を超えてしまうので、今回は安いベアリングを使用し、低コストでの完成を目指しました。
18バスライズの構造はシンプルなので、リールを分解したことが無い人でも行いやすいリールです。
中級機種への下克上を目指して、ベアリングチューンを始めましょう(^_^)
*注意!!—ベアリングの追加改造をすると、メーカーのオーバーホールを受けられません。自己責任でお願いします。
ベアリングの追加場所とベアリングの規格
ベアリングのサイズと追加場所は、下記の通りです。
シマノのホームページの「アフターサービス」にある分解図の番号で示します。
- スプールを支持する両端 (”22番”のブッシュ、2か所)
- ドライブギア軸 (”38番”のブッシュを1か所)
- ウォームシャフト、ハンドルノブ (”6番”のブッシュを5か所)
これら8個のブッシュをベアリングに交換し、合計9個のベアリングを装備したバスライズへ改造します。
ミネベア社製のベアリング
リールパーツを販売する各社のベアリングや、メーカー純正のベアリングがあります。
しかし、それらの価格は非常に高い(-_-;
ベアリングを8個注文すれば、バスライズの実売価格を簡単にオーバーしてしまいます。
それなら最初からカシータスMGLやクラド等を買う方が良い。
だから、今回は安い価格で販売されているミネベア社のベアリングを購入しました。
ミネベアのベアリングは、楽天などのインターネットショップで200円前後で販売されています。
今回、私は楽天で購入。送料のメール便代込みで、合計・約1900円になりました。
購入したミネベア製ベアリングの型番とベアリング規格は、以下の通りです。
- DDR-1030ZZ (内径3mm、外径10mm、幅4mm) — 2個
- DDL-950ZZ (内径5mm、外径9mm、幅3mm) — 1個
- DDL-740ZZ (内径4mm、外径7mm、幅2.5mm) — 5個
これらのベアリングは、最初から少量のグリスかオイルが入っているので、脱脂してから使用します。
18バスライズの分解方法
ドライブギア軸とウォームシャフトにベアリングを追加するためには、リールを分解する必要があります。
18バスライズのボディは、カシータスMGLと同じです。
なので、リールを分解していく工程はカシータスMGLと同じになります。
詳しい工程を知りたい方は、以前行ったカシータスMGLのオーバーホール記事を、ぜひ参考にしてください。
スプールシャフト両端のブッシュを交換
まずはベアリング交換のメイン部分である、スプールシャフト両端のベアリングです。
使用するベアリングは、DDR-1030ZZ (内径3mm、外径10mm、幅4mm)が2個です。
ここのベアリングを社外のベアリングに変えている人もいるでしょう。もし余っているベアリングがあれば、それを再利用しても良いと思います。
まず、メカニカルブレーキノブの青いブッシュ。
ここのバネは写真のように、細い棒のようなものをバネの間にスライドさせていくと、簡単に外せます。そしてベアリングと交換。
次はマグネットブレーキ側のブッシュを交換。こちらも青いブッシュがあります。
ピンセットなどでバネを外し、ベアリングに交換。
ハンドルノブのブッシュを交換
ハンドルノブのブッシュをベアリングに交換したことがある人も多いでしょう。
こちらもメジャーな改造ですね。
使うベアリングは、DDL-740ZZ (内径4mm、外径7mm、幅2.5mm)が4個です。
ハンドルキャップとネジを外し、ノブとブッシュを取り出します。
べったり付いているグリスをふき取ったら、ベアリングと交換しましょう。
ボディ内部のブッシュの交換
ドライブギア軸とウォームシャフトのブッシュをベアリングに交換するためには、ボディを開封する必要があります。
面倒ですが、ドライブギア軸のベアリングは、できれば交換したい箇所です。
17バスワンXTも、ドライブギア軸にはベアリングが付いています。
ボディを開封
それでは18バスライズの分解を始めます。
ハンドルを外していき、ボディを開封します。
低価格のバスライズですが、最近のシマノらしい細かい歯のドライブギアです(^^)
ドライブギアとピニオンギアを外します。
ちなみに、18バスライズにはじめから付いている唯一のベアリングはこれです。
ピニオンギアがはまる場所にあります。
ドライブギア軸のブッシュを交換
ドライブギア軸を外すと、青いブッシュが見えます。
これをベアリングに交換します。
Eリングを外して分解。
構造は、他のリールと同じです。
青いブッシュの代わりに、DDL-950ZZ (内径5mm、外径9mm、幅3mmのベアリング)をはめ込みます。
Eリングをはめなおすと、ドライブギア軸のベアリング交換は終了。
ウォームシャフトのブッシュを交換
最後はウォームシャフトです。
この箇所に関しては、無理してベアリングに交換する必要は無いと思います(^-^;
上位機種のメタニウムMGLでも、ここはブッシュが付けられています。
私も普段はブッシュのままにしていますが、今回は完全改造を目指したので、ベアリングに交換しました(^_^)
交換するのは、白いギアのとなりのブッシュです。
これを、DDL-740ZZ (内径4mm、外径7mm、幅2.5mm)のベアリングに交換します。
ハンドルノブのベアリングと同じものです。
9個のベアリング装備のバスライズが完成
これで8個のブッシュとベアリングの交換が終了。
分解ついでにオーバーホールも行い、合計9個のベアリングを備えた”18バスライズ・改”が完成しました!!
ベアリング数だけでいえば、上位機種なみです(^-^;
もちろん、ボディ素材やパーツの種類・制度が違うので、性能が勝るわけではありません。
しかし中級機種といえる性能は期待できるのでは?
注目すべきは価格。私は18バスライズを約4700円で購入。
そしてベアリング8個の合計価格は、送料込みで約1900円。
合計価格は、約6600円!! (2018年5月の価格)
これは、多くの店舗での”17バスワンXT”の販売価格と同じ、または少し安い値段です!!
そして、カシータスMGLの実売価格の半分以下です!!
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![]() | NMB(ミネベア)ミニチュア ベアリング DDR-1030ZZ ステンレス 価格:242円 |
コストパフォーマンスで考えれば、かなり良いのでは?
ハンドルを空回しすると、かなり回転が軽くなっていました。
スプールも初期状態では1秒ほどしか回転しませんでしたが、ベアリングに交換すると長く回転します。
後日、フィールドに出て”18バスライズ・改”の性能を確認しました。その結果は……。
「【インプレ】18バスライズの使用感と飛距離の数値化【ベアリング追加版も】」の記事の最後に、ベアリングチューンした18バスライズの飛距離を掲載しています。
シマノの18バスライズのインプレです。スペックや使用感、飛距離の計測結果を掲載しました。純正のノーマルverだけでなく、ベアリング追加後の飛距離等も掲載。