シマノ 初代型のアンタレス5をオーバーホール 【組立編】

この記事では、シマノの「アンタレス 5」のオーバーホール・組立工程について、詳しく解説していきます。

前回の記事で紹介した分解工程は、パーツの固着と錆び以外はトラブルなく、まあまあスムーズに作業できました。

しかし組立てでは、やはり初代アンタレスの有名な難所である、サイドプーレートのEリング固定で手間取ってしまいました(^_^;)

その時の状況も含めて、アンタレス5の組立てについて解説していきます。



ハンドル、サイドボディの組立て

最初に私はハンドルサイドボディなどの周辺パーツを組み上げておきます。手がグリスでベタベタになるまえに…(^_^;)

サイドボディのベアリングとハンドルの組立て完了

ちなみに、ハンドル側サイドボディにはめるメカニカルブレーキ部分のベアリングは、内側からしか入れることができません。これが初代アンタレスの難点です。

この時にしっかり洗浄と注油をしておいてください。

レベルワインド・ウォームシャフトギアの組立て

メインフレームの組立てを開始します。まずは、まずはレベルワインドウォームシャフトギアです。

まずはガイド棒の両端をEリングで固定。これは分解しなくてもよかったパーツですが…(^^;)

ボディにガイド棒をEリングで固定

レベルワインドとウォームシャフトギアのパーツを並べました。パーツの種類はほぼ12アンタレスと同じですね。

ウォームシャフトギアとレベルワインドの全パーツ

まずはガイド棒にレベルワインドを通します。

ガイド棒にレベルワインドを通す

次に、ウォームシャフトギアとフタ、ベアリング、ギアを合体させます。

ウォームシャフトギアのパーツ

合体させたウォームシャフトギアとパイプをレベルワインドに通します。フタの部分にはパイプやガイド棒にはまるミゾや突起があるので、うまく当ててください

パイプとウォームシャフトギアをレベルワインドに通す

そして反対側もフタをはめて座金を入れ、Eリングで固定します。フタの溝とパイプを上手くはまる位置があります。

ウォームシャフトギアをEリングで固定する

最後にウォームシャフトピンを入れてフタをしたら、ウォームシャフトギア・レベルワインドの組立ては完了です。

ウォームシャフトピンの取り付けが完了した

一応ギアを手で動かして、レベルワインドが左右移動する途中で引っかかりがないかを確認してください。

クラッチ組の組立て

まずはクラッチレバーの組立てです。

組立順に並べたクラッチレバーのパーツ

パーツの順番は上の写真のようになります。各パーツを組立て、最後にEリングで固定します。グリスも忘れずに(^^)

クラッチレバーをEリングで固定した

レバーの固定が完了したら、次はクラッチカムの組立てです。

組立てる順番に並べたクラッチカムのパーツ

クラッチプレートの形状は古いですが、他のパーツは最近のものと同じです。

まずはプレートツメバネを写真のように配置します。

クラッチのプレートとスプリング

そしてクラッチカムを、ツメの突起やプレートの溝にうまくはめましょう(うまく説明できない…(=_=;))。パチンッとはまる位置があります(汗)。

あとは、バネの圧力でパーツが吹っ飛ばないように押さえながら、銀色の押さえ板をネジで固定します。

クラッチの取り付けが完了した

これでクラッチ組の組立ては完了です。

ドライブギア軸の組立て

次はドライブギア軸の組立てです。ストッパーギアとドライブギア軸が一体化している以外は、最近のリールと構造の違いはありません。

ドライブギア軸のパーツ

上の写真の順番でパーツを組み上げます。薄い座金も忘れずに。ベアリングのサイズは、最近のリールのベアリングより小さかった気がします。

ドライブギア軸の組立てが完了

Eリングで固定します。そして、2本のネジでメインフレームに固定したら、ドライブギア軸の組立ては完了です。

ドライブギア軸を取り付けた

ドライブギア・ピニオンギアの取り付け

次はドライブギアピニオンギアの取り付けです。

ドライブギアとピニオンギア

ここも特に迷うような所はありません。順番通りにドラグ板やギアをはめこんでいきます。

ギアの取り付けが完了した

ドロドロだったギアが新鮮なグリスでリフレッシュ!!(^^)



特殊構造?サイドボディ・サムレスト・ガードの取り付け

さて、そろそろ初代型アンタレスの組立ての本番です(^^;)。これからが初代型アンタレスらしい工程です。

初めに、サムレストやレベルワインドガードの金プレートを取り付けておきます。

サムレストやガードの金パーツ

まずは、サイドボディをメインフレームと合体させます。

サイドボディを取り付ける

そしてサイドボディをネジ2本で固定します。今は仮止めなので、強く締めなくでOKです。

ボディのネジの位置はこの2つ。

サイドボディをネジ2本で固定する

次は私流の順番になってしまいますが、先にハンドル軸のナットを取り付けます。下の写真のパーツですね。

ハンドル軸の座金などのパーツ

理由は、クラッチのチューブが抜けるのを防ぐため

ドライブギア等の取り付けの時、ドラグ板の押さえの上にクラッチインナーチューブをはめました。あれは溝にはまっているだけなので、ボディを傾けたりすると抜けてしまう場合があります。

色々なパーツのネジ止めをしようとすると、作業しやすいようにボディを傾けたりしますよね。その時に抜けてしまったことがあるので、私は先にナット締めまで行います。

ローラークラッチのチューブが抜けないように、先にナットで固定する

次は、レベルワインドガードの取り付けです。メインフレームにはめた後、細いドライバーを穴に通してネジ止めします。

レベルワインドガードをネジで固定する

次は天井のサムレストです。はめこんだあと、まずは横からネジ止め。

ネジでの固定が完了

この時、仮止めだったサイドボディのネジもしっかり締めてください。

そして、レベルワインド側も2本のネジを締めます。

サムレストを固定する前方のネジ

これで横のサイドボディ、上のサムレスト、前のレベルワインドガードの取り付けが完了しました。

ブレーキ側サイドプーレートの取り付け

よいよメインイベントの、サイドプレートの取り付けです

サイドプーレートと固定するパーツ

分解する時はカンタンでしたが、組立てるときはなかなか上手くいかず、手こずりました(^_^;)。さすが有名な難所です。

まず、サイドプレートをメインフレームに通し、円柱パーツゴム座金をシャフトに通します。

シャフトに円柱パーツとゴム輪と座金を入れる

そしてシャフトをサイドボディの穴に入れ、シャフトにEリングをはめて固定できれば完了。…なんですが、Eリングをはめるのに手こずりました

私が感じたこの部分のポイントは2つ!!

サイドプレート取り付け注意点
  1. ゴムパーツをしっかり押し込む
  2. 2つの円柱パーツの向きが互い違いになるようにする

1番目のゴムパーツについては、ゴムをしっかり押し込まないとEリングをはめることができませんでした(-_-;)

この部分のパーツを私なりに図にしてみました(分かりにくくてすみません(^-^;

サイドプーレートをEリングで固定する時の説明図

 

SVS側サイドプレートのシャフトの根本から、ゴム→円柱パーツ→円柱パーツゴム→座金というパーツの順番になっています。そしてシャフトにはミゾ(図で紫色)が掘られていて、そこにEリングをはめるようになっています

しかし普通にパーツを入れただけでは、ゴムと円柱のはまり方が甘いせいか、座金がミゾの位置に覆いかぶさった状態になっていました。ゴムをしっかり押し込んで組み上げても、座金がミゾの位置にあるためEリングをはめることができませんでした

そこで私はペンチを使って、上の図のように圧力をかけて根本の方に押し込みながら、ミゾにEリングをはめ込みました。ペンチで押し込まないと、ミゾが常に座金に隠れていたので…(-_-;)

 

2番目の円柱パーツについては、向きに注意が必要です

円柱パーツは2つありますが、円柱の側面が片面だけ平になっています。その平面が互い違いになるように組まなければなりません

サイドプレートをEリングで固定する

Eリング側の円柱パーツの曲面が、写真のように手前に来るように組んでください

この2つの試行錯誤で、この工程で時間を使ってしまいました。

スタードラグ・ハンドルの取り付け

さて、最後はスタードラグハンドルを付けるだけです。

スタードラグとハンドルパーツ

ナットはあらかじめ付けておいたので、バネとスプリングとプレートを付け、ナットで固定します。

スタードラグとプレートをナットで固定する

そしてハンドルを付け、2本のネジで固定します。

ハンドルをネジで固定する

これでアンタレス5のオーバーホールは完了です!!

アンタレス5の組立工程のまとめ

難しいと言われている初代アンタレスのオーバーホール。たしかに、最後のサイドプレートのEリングは苦労しました…

しかし、パーツ数が他より多いというわけではありません。パーツ数だけでいえば、12アンタレスの方が多いです

SVS側サイドプレートの付け外しが難しい事とEリングの数が多いという2点以外は、普通のリールとそんなに変わらないと感じました。

ドライブギアの所までいくまでの工程数が多いという点で、たしかにメンテナンスするには面倒くさいリールでありますが…。

思い切って一言でいえば、SVS側サイドプレートの付け外しさえできれば、オーバーホールはできると思います(^_^;)

メンテナンスが面倒なリールですが、時々オーバーホールしないと、今回作業したリールのように内部では汚れや錆びが酷くなっているかもしれません

しかしキチンと清掃・グリスアップをすると、とても滑らかな巻き心地が復活しました。スプール軸のベアリングを交換したことで、スプールの回転が間違いなく良くなりました。

オーバーホールが完了したアンタレス5

しっかりメンテナンスすれば、初代アンタレスはまだまだ活躍してくれそうです!!