ダグ・ハノンのビッグバスマジック 表紙

現在絶版になっているバス釣り本の中には、中古市場にてプレミア価格で売買されている本がいくつかあります。

そんな名著の中でも特に有名なのが、『ダグ・ハノンのビッグバスマジック』。

デカバスを狙う釣り人には、バイブル的な本です。

今回は、ビッグバスの生態やライフサイクルの研究が書かれた名著『ダグ・ハノンのビッグバスマジック』という本について、書いていきます。


ダグ・ハノンについて

「ダグ・ハノン (ダグラス・ハノン / Douglas Hannon)」という人物は、アメリカのバスフィッシング界で「プロフェッサー(教授)」というあだ名で呼ばれます。

そのプロフェッサーのあだ名でわかるように、科学的なアプローチでバスフィッシングを研究した人物。その方法は生物学・気象学や化学など、幅広いものです。

そんなダグ・ハノンが主に行った研究対象・釣りのターゲットは、ビッグバス!!

ダグ・ハノンは「キーパーサイズのバスを釣ってリミットをそろえる」というようなトーナメント的な釣りには全く興味を持たず、ただひたすら「超大型のブラックバス」、そして「ワールドレコードを釣る」ことを目指していました。

表紙にも「500尾を超える10lbバスをキャッチした男」というキャッチコピーが書かれています。

他にも、バスの保護活動や「キャッチ&リリース」を推進した人物で、本の中にも釣ったバスの手当てや生存率を高める薬剤について解説しています。

このように、ダグ・ハノンはバスへの深い愛情を持ちながら、生涯をかけてブラックバスの科学的研究とワールドレコードのビッグバスを目指し続けた釣り人です。

ダグ・ハノンのビッグバスの研究

ダグ・ハノンは、ビッグバスの知識の多くを「タグ&リリース」の調査によって得た、と言っています。

ブラックバスにタグを付ける説明の画像

出典『ダグ・ハノンのビッグバスマジック』P168

彼が行ったタグ&リリースは、何1000尾もの釣ったバスに「タグ」を付け、番号を付けて情報化してからバスをリリース。10lb以上のバスにも400尾以上をタグ&リリースをしたとのこと。

その後にタグが付いたバスが誰かが釣りあげたりすれば、タグ番号からダグ・ハノンに連絡がくるシステム。

タグ&リリースでの情報を多く集めて、ビッグバスの成長の様子やライフサイクル、生存率などをダグ・ハノンは詳しく研究しました。

この「タグ&リリース」の調査は魚類研究ではよくある手段のようで、 日本の釣りの公式機関でもある「JGFA」でも「タグ&リリース」の説明や報告受付をしています。

しかし外来種問題でゆれている日本では、ブラックバスの「タグ&リリース」は不可能でしょうね(-_-;)

他にも、自宅の巨大水槽でもバスを飼って研究したり、ビッグバスを釣った釣り人へのインタビュー、潜水してバスを直接観察するなど、多様な研究を行っていました。

『ダグ・ハノンのビッグバスマジック』の概要

本の内容を詳しく書くことはルール違反なので、カンタな概要を紹介します。

ビッグバスマジックの内容
  • ビッグバスのライフサイクルや習性
  • バスの視力・聴力・嗅覚などの生態研究
  • ビッグバスを釣るためのアプローチ方法
  • ビッグバスに有効なルアー
  • ビッグバスが自然や環境から受ける影響

「バスのカンタンな釣り方」や「沢山釣ってトーナメントに勝つための方法」みたいな情報はありません。

ひたすら「ビッグバスについて」の情報だけが書かれています。

一番最初の章が「ワールドレコード」のことで、自身がワールドレコードを釣ったらどうするかや、ワールドレコードを釣った人にどういう対応をしてほしいかなどが綴られています。

他にも日本の本には書かれていないであろう釣りとして、ライブベイト(生餌)を使った釣りや、トローリングでのバス釣りの情報も書かれています。

「自分はルアーしかしないから関係ない」と思ってはいけません。ルアー以外の釣りも行うからこそ分かるビッグバスの情報があるのです…!!


印象に残っている文章

『ダグ・ハノンのビッグバスマジック』を読んで、私が強い印象を受けた文章を紹介します。

一つ目は、ビッグバスを釣るための秘訣

「もしビッグバスを手にする秘訣があるとすれば、それはバスを生き物として考えることだ。追いかけているターゲットがどんな習性を持つのか、知らないバサーが多いことは驚くべきことだ」

出典『ダグ・ハノンのビッグバスマジック』P102

そんな生き物としてのビッグバスの生態が、本書に詳しく書かれています。

本文にてバスの視覚・嗅覚・聴力などの生態や、ビッグバスの好む居場所などについて詳しく説明しています。

そして、個人的に印象を受けた二つ目の文章。

バスフィッシャーマンは、あまりに多種類のルアーを試してみることに時間を費やしすぎている。(中略)しかしビッグバスは、厳選されたルアーで充分釣ることができる。そのなかの1つで世界記録サイズをおびやかすことも可能であろう。

出典『ダグ・ハノンのビッグバスマジック』P29

本の中でダグ・ハノンは、「世界で一番小さいタックルボックスを持っている男」とからかわれていると書いています。

テレビや雑誌、Youtubeなどでバスプロの映像をみると、あふれんばかりのタックルボックスやルアーを見かけますが、ダグ・ハノンは「きらびやかなタックルボックスは持っていない。紙コップやシャツのポケットにルアーやワームを入れておく」とさえ言っています(^^;)

時代の違いもあるかもしれませんが、いつもいつも雑誌や動画などのメディアから新商品の宣伝や紹介をシャワーのように受ける現代人としては、心に衝撃を受けました。

まとめ

バスを愛し、人生をビッグバスの研究に費やした男の知識が、この『ダグ・ハノンのビッグバスマジック』にまとめられています。

日本での初版は1999年、アメリカでの初版はたぶん1986年であり、ちょっと古い本ではあります。

しかし大きいバスを釣りたいと頑張っているアングラーや、広大でビッグバスが最もいる琵琶湖アングラーの人には、一度はぜひ読んでいただきたい本です!!

……なんですが、この本は既に廃盤で入手困難(^^;)

中古の数も少なく、価格も高い…。

私の場合は、滋賀県立図書館の蔵書の中にあったので、この本を借りて読むことができました。

もし皆さんの最寄の図書館にあったり、中古本屋で安く見かけたりしたら、ぜひ一度手に取って見てください。