
ブラックバスが捕食の時に最も使う感覚は「視覚」と言われていますが、次に重要になっているのが「聴覚」です。
そして水中の音や水流を感知するためにブラックバスが使っている器官が、「内耳」と「側線」です。
ブラックバスの生態についての第三弾!この記事では「ブラックバスの聴覚を司る内耳と側線」について調べたことをまとめました。
ブラックバスの聴覚の器官
「音」とは「振動が次々伝わる波」であり、「音を聞く」とは「振動を感じとる」ということ。
私たち人間は、空気中の振動によって伝わる「音」を耳で聞きます。それでは、ブラックバス、そして魚には耳があるのか?…はい、あります(^^)!
人間の耳に相当する器官は2つ、「内耳」と「側線」です。
頭の内部にある内耳と、頭部周辺とエラから尾にかけてある側線で、音の振動を感知します。
ブラックバスの内耳について
ブラックバスをはじめ、魚には耳があるように見えませんね。ブラックバスの「内耳」は頭の中…頭蓋骨の内側にあります。
内耳の主な働きは、「高周波」の音の感知です。他にも、平衡感覚を司ります。
*「周波数」とは「音源が振れる周期」のことで、ヘルツ(Hz)という単位で表します。3ヘルツだと1秒間に3回の振動の波があり、100ヘルツだと1秒間に100回の振動があります。周波数が大きいほど高音になります。
遠くの音源を感じとる内耳
ブラックバスの聴覚器官で、遠くの音源を感じとることに優れているのは内耳です。側線よりも遠くの音を内耳は感じ取れます。音源が約6m以上離れていると、内耳の方が活躍するそうです。
ブラックバスの側線について
低周波の音を感知する、また近くにある物や生物の動きで生じた水流・水圧を感じとる器官が「側線」です。
魚の体の表面はウロコで覆われていますが、側線が通っているウロコ部分には穴があります。バスの周りで発生した水流・水圧が、その穴から内部の細胞や神経に伝わります。
そうしてブラックバスは側線を使って、獲物の位置や方向を検出します。
側線の位置
側線と聞いて思いうかぶのは、エラから尾にかけてのものでしょう。エラから尾にかけても側線がありますが、そこだけではなく、頭頂部・目の周り・顎の下にも通っています。だいたい下の画像の赤い線が側線のイメージです。
顎の裏側には穴のようなものが見えます。この部分を「下顎管」といって、底を這うザリガニやハゼなどの生物が動くことによって生じる水流を感じとることに適しています。
近距離で活躍する側線
生物が動いたときに生じる水流・水圧を感じとる側線ですが、それは近距離だけです。遠くで発生した水流などは感じ取ることができません。
具体的な位置や方向を感じとる器官は側線なので、獲物の捕食の時は側線の方が活躍します。
また、群れで密集して互いにぶつからずに泳げるのも側線のおかげ。側線による反応の速さと正確性は、魚群れが方向転換する時も一糸乱れず泳ぎ続ける姿からもわかります。
ブラックバスの聴覚について・まとめ
ブラックバスの生態を詳しく知るために、この記事では聴覚について調べました。
- ブラックバスは「内耳」と「側線」で音や水流を感じとる。
- 遠くで発生した音波を感じとる器官は内耳。
- 近くで発生した振動や水流を感じとる器官は側線。
- 動いた獲物の方向や位置を詳しく知るのは側線の働き。
ちなみに、魚は泳いでいる時は、側線で周囲を感知する能力が下がるそうです。泳いでいると体に水流を受け続けるので、側線の感度を低下させます。
そういう意味では、障害物についてじっとしていることが多いブラックバスは、側線の機能をビンビンにして周囲を探っているのかもしれませんね(^^)。
- 川村軍蔵 『魚の行動習性を利用する 釣り入門 化学が明かした「水面下の生態」のすべて』、株式会社講談社、2011年
- Larry Larsen. “Bass Fishing Facts- An Angler’s Guide To Bass Lifestyles And Behavior.”, 1989, Derrydale Press
- BASS SCIENCE – THE LATERAL LINE, (December 2, 2014), “Yum Baits”, https://www.yumbaits.com/blog/bass-science-lateral-line/
- What Can Bass Really Hear – Fish Tales, “Bixxel Media”, https://bixxel.media/new-page-98