
この記事では、シマノの”10スコーピオンXT 1000”のハイギア化の改造についてご紹介します。
”10スコーピオンXT”には、ギア比6.4・巻上長64cmのノーマルギアモデルしかありません。
ハイギアにしたいならば、ドライブギアとピニオンギアを、他のリールのギアと交換する必要があります。
10スコーピオンXTに移植するハイギアの選択肢として、”09アルデバランMG”と”14ブレニアス”のギアがあります。
この2つのギアは、ドライブギアの材質が違いますが、私は14ブレニアスの真鍮製ギアを選択しました。
交換したパーツは、「ドライブギア」「ピニオンギア」「クラッチヨーク」です。
この3つのパーツを交換するだけで、簡単に10スコーピオンXTをハイギア化できます。
では、ギアの交換方法や性能の変化について解説します。
ドライブギアの材質の選択
ドライブギアの材質には、真鍮製とアルミ製(ジュラルミン)の2つがあります。
真鍮製のドライブギアは、アルミ製のギアより柔らかい、柔軟性・粘りがある材質です。
それでギアの歯あたりが良いのか、いわゆるシルキーな巻き心地が出やすい。
ピニオンギアも真鍮製なので、同じ素材同士の組み合わせが良いのかもしれません。
アンタレスやカルカッタなど、耐久性と巻き心地が優れているリールは真鍮製のドライブギアがほとんどです。
しかし、真鍮は重いので軽量リールにはあまり使われません。
アルミ製のギアは、真鍮製より軽くて硬いギアです。
硬いギアなので、巻き感度が優れていると言われますが、真鍮製ギアよりカリカリした巻き心地が好きでない人も…。
そして、硬い材質のため、ギアの歯の耐久性が真鍮製より低いイメージがあります。
使う人の好みによって”軽くて巻き感度が良い”というプラス評価と、”巻き心地がすぐ悪くなる”というマイナス評価のどちらかに分かれています。
14ブレニアスのドライブギア(超高強度真鍮)
14ブレニアスのドライブギアは、10スコーピオンXTと同じ”超高強度真鍮”です。
ギア比は7.7で、最大巻上長は77cmになります。
32mmスプールのリールとしては、けっこうなハイギアです。
左のギアが14ブレニアスのギアです。
ギアの歯が、スコーピオンXTのギアより少し小さいですね。
09アルデバランMGのドライブギア(超々ジュラルミン)
09アルデバランMGのドライブギアは、超々ジュラルミン(アルミ合金)です。
ギア比は7.0で、最大巻上長は70cmになります。
最近のリールと比べれば、ノーマルギアとハイギアの中間ぐらいのギア比ですね。
スコーピオンXTやブレニアスのギアより軽量です。
ただ、2009年モデルのリールのギアですので、そろそろ入手できなくなっているのかもしれません(^-^;
メーカー在庫がなくなれば、入手不可になります。
私は軽量化を求めておらず、よりハイギアのリールが好きなので、よりギア比が高い14ブレニアスのギアを選択しました。
それに、アルミボディのスコーピオンXTには、やはり真鍮のドライブギアの方が似合うと思います(^^)
ハイギア化の改造で交換するパーツ
スコーピオンXTをハイギアに改造するために交換したパーツは3つ。
14ブレニアスの「ドライブギア」「ピニオンギア」「クラッチヨーク」です。
ドライブギアとピニオンギアは、必ずセットで必要です。
クラッチヨークについては、たぶん交換しなくても大丈夫だったと思います。
ただ、ギア比によってピニオンギアの大きさなどが少し違うように見えたりするので、私は一応交換しています。
スタードラグ座金はスコーピオンXTのものを、そのまま使用しました。
ただ、BFSスプールで8lbぐらいのラインを使っている人ならば、「スタードラグ座金」と「スタードラグ板」を交換するのもアリだと思います。
14ブレニアスの最大ドラグ力は3.5kgで、これはアルデバランBFSと同じです。
ドラグを出したいならば、交換も選択肢です。
私は太さが18lbぐらいのラインを使っているので、最大ドラグ力4.5kgのスコーピオンXTのドラグを使用します。
ギアの交換方法
それではリールを分解して、ギアの交換を開始します。
まずは、リテーナとナットを外し、ハンドルを取り外します。
ハンドルのナットは、10サイズのレンチで外しました。
スタードラグや座金を順番に外していきます。
ハンドル部の座金には向きがあるので、慣れていない人は向きを確認して並べることをお勧めします。
ボディのネジを外し、本体を開封。
以前メンテナンスしたので、キレイな状態(^_^)
「ドライブギア」「ピニオンギア」「クラッチヨーク」を取り外します。
これらはキレイに洗浄して、保管しておきましょう。
ギアを14ブレニアスのものに交換。
スタードラグ座金は10スコーピオンXTのものですが、ピッタリ入りました。
ピニオンギアなども組付け、ボディを閉じます。
そしてハンドル部の座金の取り付け。
この3枚の座金の向きに注意。
スタードラグ、そしてハンドルを取り付け、ハイギア化は完了です(^_^)
ハンドル部の座金の向きさえ間違わなければ、特に難しい工程ではありません。
ハイギアに変更したことによる変化
さっそくフィールドに出て使用しましたが、やはり使用感覚が変わります。
巻き感度は間違いなく向上しました。
ルアーのブルブル動く振動を、以前のノーマルギアの時よりハッキリ感じ取ることができます。
私はできるだけルアーの振動を感じ取りたいタイプなので、この点は非常に嬉しい。
最大巻上長の向上は、フッキングの時にも役立ちます。
このリールには、私はショートロッドの「スコーピオンXT 15101F-2」を合わしています。
竿が短いので、フッキング時のストロークの長さも短くなります。
だから長い竿よりフッキングが甘くなりやすい。
フッキングが甘かったかなと思った時、そのままリールをゴリゴリ巻いて巻き合わせをして、針を魚にかけます。
この時、やはりハイギアの方がありがたい(^^)
10スコーピオンXTのハンドルは40mm。最近のシマノの42mmよりも短いハンドル。
ショートハンドルにハイギアという組み合わせですが、私は違和感なく使うことができました。
リールのギア比を変えれば、リールの使用感覚は大きく変化します。
ベイトリールのギア交換は、スピニングリールに比べて簡単。
今のギア比にしっくりこない方は、ぜひギア交換に挑戦してみてください。
リールのギア比を交換した状態のリールでは、メーカーのオーバーホールを受けられない可能性があります。