
シマノのルアーフィッシング用ロッドで、最も低価格なシリーズが「ルアーマチック」です。
そのルアーマチックに2020年に追加された新しいモデルが、ルアーマチックMB。
従来のルアーマチック2ピースモデルとは違い、3本~4本継のパックロッドの新モデルです。
「コスパが良いロッド」「安いパックロッド」を探している人には、「ルアーマチックMB」を購入するか悩んでいる人も多いのでは?
私はルアーマチックMBの中で最も短い番手「S70UL-3」を、バス釣り用のロッドとして購入して、使用してきました。
この記事では、3ピースロッドである「ルアーマチックMB S70UL-3」の見た目・スペック・実際に使用した感想を紹介します。
なぜルアーマチックMBを購入したか?
私が購入を考えていたロッドの要素は、
- 家族用・兼スペアのスピニングロッド。
- 1万円以下で、収納場所も取らないコンパクトな仕舞寸法のロッド。
- 安いといえど、道具・釣竿としての性能と信頼性がある。
「人に貸すことも考慮して、ロッドが少し傷ついても心理的ダメージが少ない。しかしサブロッドとしても使える、安くてコスパの良いロッド」を私は探していました。
それでインターネットでいろいろ検索した結果、
- 6500円の低価格。(2020年10月)
- 3ピースで仕舞寸法がそこそこ短い。
- 10年以上販売され続けている「ルアーマチック」ブランドで、好きなシマノのロッド。
- シリーズとしては古いが、パックロッドの「ルアーマチックMB」としては2020年発売の最新。
という要素を満たす「ルアーマチックMB S70UL-3」を購入しました。
ルアーマチックMB S70UL-3のスペック
ルアーマチックの2ピースモデルは10年以上販売され続けているロングセラー商品ですが、「ルアーマチックMB」は2020年の夏頃に発売された新商品です。
そこで、「ルアーマチックMB S70UL-3」のスペックを見てみましょう。
シマノHPで公開されているスペック
飛び出せ! フィールドへ。
軽量性に優れたエントリーモバイルロッド。人気のルアーマチックシリーズに、モバイルタイプのルアーマチックMBが新登場。最大の特長は約62~78cmのコンパクトな仕舞寸法。自転車、電車、飛行機、車とあらゆる釣行スタイルで活躍します。普及価格帯の常識を覆す高性能ブランクスを採用することで、ダルさやブレを極力排除。マルチピースロッドにありがちな不快な曲がりではなく、スムーズで綺麗な曲がりを実現しました。一般的には継数が多くなるほど重量が増しますが、同クラスのセンターカット2ピースロッドと比べても、継数を忘れるほどの軽量化を達成しています。幅広いシーンに対応する6アイテムを用意。メバル、アジといったショアのライトルアーゲーム、シーバスやエギング、ロックフィッシュやショアジギング、淡水でのバス、トラウトゲームまでカバー。自社工場生産によるシマノ基準の高品質、万全のアフター体制などの安心感はそのままに、いままで以上の手軽さでルアーゲームを楽しめるモバイルロッドシリーズです。
全長(m) | 2.13 |
---|---|
継数(本) | 3 |
仕舞寸法(cm) | 74.8 |
自重(g) | 80 |
適合ルアーウェイト(g) | 0.8~10 |
適合ライン ナイロン(lb) | 2~5 |
適合ライン PE(号) | 0.2~0.8 |
カーボン含有率(%) | 87.2. |
本体価格 | バリュープライス |
そして、購入した「S70UL-3」の適応釣種としては、
- 最適—メバル・アジ
- 適—トラウト・バス
となっています。
実物の「自重」は少し軽かった
メーカーの公開スペックだけでなく、自分でもロッドの「自重」を計測してみました。
計測してみると、78gでした。メーカーの数値より少し軽いですね。
他のパックロッドより長い仕舞寸法
ルアーマチックMBは「モバイル」のMBがついたパックロッドですが、「S70UL-3」は7ftの3ピースロッド。この型番だけが3ピースで、他の型番は全て4ピースです。
そのため、仕舞寸法が約75cmあります。パックロッドとしては長く、これは欠点です。
「スコーピオン 1652R-5」や「コンパット GCMS-705L」と仕舞寸法を比較してみました。
やっぱりルアーマチックMBの仕舞寸法は長いですね。
「S70UL-3」の仕舞寸法は約75cmですが、これはルアーマチックMBの9ft・4ピースモデルの仕舞寸法とほぼ同じです。
ルアーマチックMBの各部をチェック
シマノのバス釣り用低価格ロッドとして「バスワンXT」がありますが、ルアーマチックはバスワンXTより安いロッドです。
シマノで最も安いモバイルロッド・ルアーマチックMBのブランクスやガイドなど、各部を解説します。
ブランクス
リールシート付近を除けば、ルアーマチックMBのブランクスは塗装が無い「アンサンド仕上げ」になっています。
見た目的には、バスワンXTのブランクスとも似ている。
ブランクスも不自然に太かったりせず、継げば自然な7ftのロッドに見えます。
リールシートの上20cmほどだけは、商品ロゴと緑色のキレイなコーティングがされています。
製造は中国のシマノ工場です。
ガイド
ルアーマチックMBのガイドは、富士工業のステンレスフレームガイドとセラミックOリングです。
SiCやアルコナイトのリングではありませんが、安心の富士工業のガイドです。
最適魚種が「メバル・アジ」などのライトゲームということもあり、ガイドのサイズは全体的に小さめです。
私はフロロカーボンの5lbを使いましたが、PEラインの細い釣り糸の方が合っていると感じました。
グリップ
ルアーマチックMBのグリップは、EVAのグリップと無塗装のリールシートで構成されています。
リールシートは、下から上に締める”アップロック”です。
ロッドケース
ルアーマチックMBのロッドケースは、一般的なナイロン製の竿袋です。
ロッドケースの内部にも、仕切りはありません。ロッドを束ねるベルトも付いていません。
バス釣りにルアーマチックMB S70UL-3を使用した感想
バイク釣行で、瀬田川でのバス釣りに5回ほど使用した感想をまとめました。
ルアーマチックMBに合わせたタックルは、215gのリール「09コンプレックス 2500HGS F4」とフロロカーボンのライン5lbです。
グリップが短い!
使って最初に感じたことが、
「グリップが短い!」
ということ。
リールシート下のEVAグリップ部分は、長さが約11cmしかありません。
両手でのキャストはできますが、はっきりいって「やりにくい」です。
そしてグリップが短いため、他の7ftのロッドよりブランクスの部分が長いです。ちょっとした違和感を感じました。
少し先重りがあるが、軽くてシャープに振れる
低価格モデルであることや、グリップ部分が短いということもあり、少しロッドの先重りを感じます。
しかし、あくまで「少し」であり、私は特に問題とは感じていません。
約80gと軽量であり、振った感じもシャープです。安いロッドにある「ダルさ」も少なめ。
以前に「18バスワンXT」を使ったこともありますが、バスワンXTよりルアーマチックMBの方が先重りがなくて軽快に振りやすいと、私は感じました。
「S70UL-3」の使いやすかったルアー重量
ルアーマチックMBのS70UL-3では、4g~6gのルアーが最も使いやすい重さでした。
私は約4gのシャッドや5gの小型ミノーをメインで使用。ロッドが気持ちよく曲がり、気持ちよくキャストできました。
4gより軽量も特に問題はありませんが、スペックの上限である10gのルアーはキャストしにくいですね。
ルアーの重みに竿先がぐにゃりと曲がり、強くロッドを振るには少し怖い。
少し加減して振れば10gのルアーも行けますが、ビシッと振るのは8gぐらいまでだと、私は思いました。
釣りに十分な感度を備える
ルアーマチックMBをバス釣りで5回ほど使用しましたが、私は感度について何も不満を感じませんでした。
フロロカーボン5lbで4gのシャッドがぎりぎり泳ぐスロー巻きの釣りを多くしましたが、しっかりルアーの振動を感じ取れていました。
ガイドが小さいから感度が良いのかも。
ボトムやウィードに当たる感触も問題なく感じ取れているので、特に不満なく釣りに集中できました。
PEラインを使えばさらに感度も上がるので、1万円以下のロッドとしては十分な感度を備えています。
ガイド抜けが少し悪い
「ガイドが小さいから感度が良いかも」と書きましたが、ガイド径が小さい分、フロロカーボンラインの5lbでは少しガイド抜けが悪かったです。
フロロカーボンの5lbでフルキャストをすると、すこし「バババッ」とラインがあたる音がします。
最適魚種が「メバル・アジ」というソルトウォーターのライトゲームを設定したロッドなので、やはりPEラインの方が合っていそう。
私は2500番のスピニングリールにフロロカーボン5lbでしたが、スプール径が小さいC2000~C2500Sにフロロカーボン4lbでも良さそうです。
パワー問題なし、45アップのバスもキャッチ
ルアーマチックMBで初めてバス釣りをしている時、ジップベイツのカムシンjrで49cmのバスを釣ることができました。
ルアーマチックMBはシマノで一番安い価格帯のロッドなので、大きめの魚がかかった時はどうかな?と不安もありましたが、魚に振り回されることもなく普通に釣ることができました。
今の時代の大手メーカーのロッドなら、安くてもまったく問題ありません。ルアーマチックMBのULクラスでも、安心して釣りができます!
ルアーマチックMB S70UL-3に合うタックル
「ルアーマチックMB S70UL-3」のグリップは短く、その分ブランクスが長いロッドです。
重量は約80gと軽量ですが、少し先重りを感じます。
200g程度のリールの方が、ロッドのバランスがとれます。あまり軽量すぎると、ロッドを重く感じやすくなってしまいます。
また、ルアーマチックMBはガイド径も小さめ。2500番よりも、C2000番の小型のスピニングリールの方が向いています。
このことから考えると、同じ低価格帯のスピニングリールのC2000番…シマノなら、セドナやサハラ、ナスキーが合うと考えます。
低価格帯のC2000番クラスの、重すぎず軽すぎない重量がマッチするでしょう。
ラインもフロロカーボンより、細いPEラインの方が、ガイド抜けが良さそうです。
まとめ
「ルアーマチックMB S70UL-3」の「良かった点」と「悪かった点」をまとめます。
- シマノ(大手メーカー)で最も安い価格帯のロッド。
- 「3ピース」であり、仕舞寸法が短くてコンパクト。
- 7ftで重量が80gと軽量。
- 普通の釣りに十分な感度。
- グリップが短く、両手でのキャストがやりにくい。
- 仕舞寸法が約75cmであり、パックロッドとしては長い。
- フロロカーボンライン5lbでは、少しガイド抜けが悪い。
多少の欠点はありましたが、総合するとルアーマチックMBは、コスパが抜群に良いロッドです。
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いわゆる「所有の満足感」はないシンプルなロッドですが、釣りに必要な性能は価格以上に備えています。
個人の意見として、道具としては「18バスワンXT」より満足感が高いです。
6500円(私の購入金額)でこの性能なら、文句はありません。
更にバス釣り以外に海のメバル・アジといったライトゲームの釣りにも使えます。
(ロッドとしては、海のライトゲームを主目的に作られています。)
「できるだけ安い価格で、でもある程度の性能をもったスピニングロッドが欲しい」という人には、このルアーマチックMBはピッタリです!